※当記事にはアフィリエイトリンクが含まれます
辻村深月さんによるベストセラー作品『かがみの孤城』は 単行本・文庫本・児童書版の3種類から選ぶことができるので、「どれを読めばいいんだろう?」「児童書ってどう違うの?」と悩む人もいますよね。
そこで、児童文学マニアの私が全3タイプをすべて読み比べてみたので、ぜひ参考にしてみてください。
『かがみの孤城』は単行本・文庫本・児童書の3タイプが発売中
学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。
ポプラ社
単行本(ハードカバー) | 文庫本 | 児童書 | |
---|---|---|---|
ページ数 | 558 | 上 415 / 下367 | 上 362 / 下 334 |
サイズ | 195mm x 137mm | 151mm x 105mm | 172mm x 112mm |
税込価格 | 1,980円 | 各 780円 | 各 803円 |
備考 | ※上下巻 ※箱入りセットあり | ※上下巻 ※箱入りセットあり | |
Amazon詳細へ | Amazon詳細へ | Amazon詳細へ |
『かがみの孤城』それぞれの違いは?
単行本と文庫本に違いはない
まず、単行本と文庫本ですが、この2つは表紙(装丁)やサイズがちがうだけで、中身の話は全く同じです(※)。
ボリュームがある作品なので文庫本は上下巻に分かれていますが、中身は変わらないので、好きなほうを選べばOK!(文庫書下ろしあとがきも載っていないです)
※厳密に言えば、文庫化にあたって削除された一文があるのですが、さほど問題視することではありません
キミノベル児童書版は違いが3つ!
ポプラキミノベルから刊行されている児童書版も、単行本&文庫本と話の内容や文章は全く同じです。
子ども向けだからと言って、言い回しを変えたり簡素化したりといったことは一切ありません。
しかし、単行本・文庫本とは3つの違いがあります。
- 豊富な挿絵
- 総ルビ仕様
- “かがみの孤城”のルールと見取り図
豊富な挿絵(イラスト)
単行本・文庫本には一切挿絵が入っていませんが、児童書版には60点もの挿絵が掲載され、親しみやすい印象になっています。
また、挿絵があることで場面をイメージしやすくなるでしょう。
総ルビ仕様
児童書版は、小学生でも読めるようにと「総ルビ仕様」つまり全ての漢字にふりがなが降ってあります。
よって、対象年齢は小学3年生以上となっています。
“かがみの孤城”のルールと見取り図
さらに児童書版では、冒頭に「かがみの孤城ルール」と「見取り図」が掲載されています。これによって、より世界観に入り込みやすくなる仕様です。
ちなみに、児童書版の下巻には辻村深月さんのあとがきが掲載されています。
『かがみの孤城』って子ども向けの本?
児童書版でも、内容や文章自体は大人向けと全く同じです。
だとすると、「あれ、そもそも『かがみの孤城』って子ども向けの本なの?」と疑問に思う人もいますよね。
確かに『かがみの孤城』は主人公が中学生ではありますが、一般読者(つまり大人)向けに刊行された本です。
※公式サイトによると、文庫本は対象年齢が中学生以上と設定されています
著者の辻村深月さんは、児童書版の刊行に際してのインタビューで以下のようにおっしゃっています。
私が小説を書くときは、とくに大人向け、子ども向けといったことは意識していないんです。「面白い小説を書きたい」というのが出発点で、それはきっと子どもにも大人にも響くところがあるはずだ、と。
好書好日 辻村深月さん「かがみの孤城」が児童書に! 作品への思いや子ども時代の読書体験を聞く
しかし実際には、大人向けの単行本にも小学生の読者が多くいたことから、子どもでもより手に取りやすい形を…ということで、児童書版の発売に至ったそうです。
まとめ:児童書版『かがみの孤城』は子どもでも親しみやすい
『かがみの孤城』は大人向けに発売されている小説ですが、中学生や高校生でも楽しめる作品。
ただ、児童書版は総ルビ仕様になっていたり、豊富なイラストが掲載されていたりと、子どもでも親しみやすい工夫がされています。
小学生くらいの子どもが読むときには、児童書版のほうが読みやすいかもしれませんね。
大人であれば、あえて児童書版を選ぶ必要性は低く、単行本か文庫本を選んで問題ないと思います!